前回に引き続き、当院のオーダーメイドプロテーゼ隆鼻術について詳しくご説明します。
今日のお話は、前回のブログを読んでからのほうが理解しやすいと思われるので、よろしければまずこちらをお読みください。
今日の症例は、先日このブログでご紹介したばかりの隆鼻術のモニター患者様です。
先日の記事はこちらをご覧ください。
2009年10月4日
2009年10月6日
さてお待たせしました。今日のお話です。
まずは手術前の横顔写真とレントゲン写真を示します。
当院で隆鼻術のプロテーゼをデザインするために撮影するレントゲンは、普通のレントゲンのように骨の中を透かして写すのではなく、骨、軟骨、皮下組織、皮膚などの輪郭(形)や厚みを同一写真に写し込む特殊なレントゲンです。眼球やまぶたも写し込まれます。
手術前のレントゲン写真の鼻の皮膚の輪郭、つまりノーズラインに赤線、鼻骨や鼻軟骨の輪郭に緑線を引いてあります。
一見してわかるように、皮膚の輪郭と、骨・軟骨の輪郭は形が異なっています。

次に同じく手術前レントゲン写真に、隆鼻術によって形成したいノーズラインを青線で追加します。
上まつ毛の高さをノーズラインの起点の高さにするとバランス良く仕上がるので、この目安で手術後のノーズライン(青線)をデザインしています。画面では分かりにくいかもしれませんが、実物のレントゲン写真にはまぶたやまつ毛も鮮明に写し込まれるので、レントゲン上で正確にデザインできます。
手術前のノーズライン(赤線)と、手術後のノーズライン(青線)の差が、プロテーゼで高さを出したい厚みです。
しかし隆鼻術のプロテーゼは鼻の皮膚に乗せるわけではなく、鼻骨・鼻軟骨の真上に挿入して鼻の形を作ります。したがってぴったりフィットさせるためには、鼻骨・鼻軟骨の表面の輪郭(緑線)に合う形にするのがベストです。
先に求めた、プロテーゼに必要な厚みを、鼻骨・鼻軟骨にフィットする形にデザインし直します(緑線とオレンジ線)。

さて、プロテーゼは鼻の骨や軟骨にかぶせるように挿入されますので、かぶさる部分も考慮して作成しなければなりません。かぶせる部分のデザインを描き加えてデザイン完成です。

デザインをレントゲン写真に鉛筆で書き込み、これを紙に写し取って、医療用のシリコンブロックの塊を削ってこの形のプロテーゼを作ります。長年この作業をしているので慣れましたが、塊からデザイン通りに削るのは腕の見せ所です。この作業は誰にも負けないという自負があります。
画像は私が手作業で削って作成したプロテーゼです。
ここまで徹底して、執刀医自身が手作業で完全オーダーメイドのプロテーゼ作りをしているクリニックは、私が知る限り国内では当院だけではないかと思います。ほとんどのクリニックでは、工場で作られた既製品のプロテーゼをそのまま、あるいは各患者様に合わせて削り足して準備していますが、オーダーメイドで準備したプロテーゼのようにぴったりフィットは無理ですので、多少隙間ができたり、鼻骨から浮き上がったりしています。これでも一見問題なく仕上がるケースもありますが、浮いて見える、ぐらぐらと動く、曲がる、人工的にまっすぐ、など不自然な仕上がりになる場合も当然あります。
これに対して完全オーダーメイドは、ジグゾーパズルのピースをはめ込むようにぴったりに挿入されますから、ずれることも動くことも曲がることも浮き上がることもなく、自然な仕上がりを保証できます。

挿入予定のプロテーゼを、このモニター患者様の鼻の皮膚の上に乗せてみます。
プロテーゼは皮膚の輪郭には適合していないので、横から見ると隙間ができているのがわかります。
しかし厚みは適合しているので、ピンセットで押し当てると、ノーズラインは予定通りの高さになることが分かります。
プロテーゼは鼻骨・鼻軟骨にぴったりフットして挿入され、挿入したプロテーゼの厚み分だけ高さがでて、結果的に理想的なノーズラインが出来上がる仕組みです。

手術前の横顔写真、プロテーゼの挿入位置、手術後の横顔写真を示します。
手術後は予定通り、上まつ毛の高さを起点とする自然なノーズラインに仕上がっています。
このモニター患者様の手術後のレントゲン写真は近日撮影予定です。普通のレントゲン写真ではプロテーゼは写らない場合がほとんどですが、当院の特殊なレントゲンなら、鼻骨・鼻軟骨の上にぴったり挿入されたプロテーゼを写し込むことができるので、後日のブログで供覧したいと思います。
















